ゴールドを買ってみたい!

お金のこと

執筆:2025年4月14日
加筆:2025年7月22日

昨今(さっこん)は猫も杓子もNISAを始めていますから、このブログを読んでくださっている人の中にもNISAを初めている方がいらっしゃるのではないかと思います。
2025年の株の運用成績はいかがでしょうか?踊子は今年の3月に、S&P500とオルカンに一括投資したのですが、トランプショックのせいで一時は損失が出ていました。ありがたいことに、今は持ち直しています。
東のプーチンと西のトランプが、世界情勢だけではなく世界経済までもを滅茶苦茶にしていますね。

金価格が高騰し続けている!

そんな中、注目が集まっているのが「ゴールド」です。戦争や経済危機などの不安が高まると、ゴールドの価格が高騰すると言われていますが、今、まさにその現象が起こっています。
2022年のウクライナ侵攻直後から、ヨーロッパを中心にゴールドの需要が一気に高まりました。その後も、ガザの紛争、トランプショック、イスラエルとイランの紛争などでゴールドの価格は高騰し続けています。それに伴い、資産を株式や債券からゴールドに切り替える動きが加速しています。
また、国家規模でも同じ動きが起こっており、各国の中央銀行は軒並み、ゴールドの保有率を上げています。もちろん、日本の中央銀行もゴールドの比率を増ししています。

個人投資家の駆け出しである私もゴールドに興味がなかった訳ではありませんが、株も金も含めて投資など考えたこともなく今まで生きてきました。
私が買ったことのある金貨と言えば、100均で売っている金貨の形をしたチョコレートぐらいです。
ちなみに、私が子供の頃はとても貧乏だったので、お菓子はほとんど買ってもらえませんでした。金貨チョコレートだって買って貰ったことはありませんでした。憧れのまた、憧れでした。

金1グラムの価格が16,400円!

しかし、最近、実家に帰った時、母が昔買った金貨を2倍の価格で買い取ってもらったという話を聞いてから、俄かにゴールドに興味が出てきました!
突如として、「私もゴールドを買ってみたい!」という欲に駆られ始めたのです!しかしコールドなんて、どこで買ったらいいのかさえ見当が付きません。しかも踊子にとっては、ゴールドを買うという行為自体が、かなりハードルが高い!
そうやって、ぐずぐずしている間にもゴールドの価格はどんどん上昇し、あっという間に1グラム16,400円になってしまいました!(2025年4月時点)

ところで、皆さん、ゴールド1グラムってどのくらいの大きさかわかりますか?すごく、すごく、すご~~く小さいんですよ!
下の写真を見てください!失くしたら、絶対に見つからなさそうですよね?これが1.7万円って、どれだけ貴重な物質なのでしょう!

1.41グラムの純金の粒
引用元:ヤフオクの謎の粉を溶かしたら金塊ができて最高にハイ!って奴になった
引用元:やさぐれメタルさん

昔は金インゴットでも、200g以下のサイズは作られていませんでしたが、近年では小口の一般客の需要がどんどん伸びているので、要望に合わせて、100g、50g …10g、5g、2g、1gと小さなインゴットもどんどん作られるようになったようです。

ゴールドの価格は暴落しないのか?

株もゴールドも為替相場も常に変動します。上昇もすれば、下落もします。ゴールドは安全資産と言われていますが、結構、値動きが激しいです。
最近、アメリカ株に投資していた人々の一部が、損失を補填しようと手持ちのゴールドを売る動きがあり、ゴールドの価格が一瞬、下がったようですが、このブログを書いている現在もゴールド価格は上昇を続けています。(2025年4月14日現在の金1グラム:16,399円。)
しかし、長期的に見れば、ゴールドの価格は確実に上昇し続けると思います。なぜならば、ゴールドは埋蔵量が少ない希少金属だからです。


これまでに人類が採掘してきたゴールドの量は約19万トン(オリンピック用ブール約4杯分)と言われています。
一方、今後、採掘できるゴールドの量は5万トン(オリンピック用ブール約1杯分)と予想されています。現在のペースで採掘すると、15年~20年後には枯渇する計算です。

ゴールドは古代から貨幣や装飾品などに使われてきました。また、現代では様々な電子部品にも使用されています。
そんななくてはならないゴールドですが、地球上にゴールドの代替となる物質は存在せず、人工的に造ることも不可能です。
そのため、ゴールドの価格は上昇し続けているのです。

有事の金は本当か? ― 安全資産としてのゴールド

ネットで調べてみると、「ゴールドはこれからも上昇を続けるから、投資すべき」とか、「リスク分散のために株だけではなく、安全資産も保有すべき」などの意見が多く見られました。それは本当でしょうか?
踊子は2024年から投資を始めた初心者です。「安全資産」という言葉さえ知りませんでした。
2024年は何も知らないまま、銀行員に一任して投資を始めたので、色々と後悔しました。
その経験から、自分でよく調べることの大切さ、人任せにしないことの大切さ、そして何よりも、自分が分からないものに投資しないことの大切さを学びました。
投資は自己責任で行うものです。今回は、ゴールドを買う前に自分なりに色々と調べてみました。

まずは、「安全資産」の定義から説明します。
安全資産とは、価格に大きな変動がなく、元本割れしない資産を指します。価格が下落しないのは安心ですが、その分、上昇もしません。つまり、保有していても増えも減りもしないということです。

代表的な安全資産は以下の4つです:
・預貯金
・国債(値崩れがしにくく、国が財政破綻を起こさない限り元本が保証されている)
・貯蓄型保険(契約満了時には、積み立した元本を受け取ることができる)
・ゴールド

この中で皆さんに馴染みがあるのは、預貯金だと思います。銀行に預けてある限り減ることはないので、下手な投資商品に手を出してがっつり元本割れするよりはずっと安全です。

しかし、安全資産である預貯金も、物価の上昇に合わせて目減りします!
年間インフレ上昇率を2%と仮定すると、現在の100万円は10年後には80万円の価値しかなくなってしまうからです。つまり、10年後には100万円あっても80万円分の買い物しかできなくなってしまうということです。
インフレ率2%という数値は、日銀が目標としている設定値です。実際のインフレ率は2%を上回っています。2025年5月8日時点のインフレ率は2.739%です。2025年1月には、一瞬ですが4%まで上昇しました。(政府がエネルギー補助金を再導入したことにより、今は3%近くにまで下がっています。)
年間インフレ率は日銀の目標値の2%ではなく、少なくとも3%と見積もっておくのが現実的です。
「安全な」銀行預金が大好きな日本人は預金に対する物価上昇率の影響を見落としがちです。気を付けましょう。

関連記事:エネルギ―価格の高騰は、インフレ率上昇の大きな要因となります。

ちなみに、踊子の大正時代の親類には、銀行に「1万円*」を預けていた人がいるらしいです。銀行に「大金」があるから安心と言い、家族にも「このお金はいざという時のために使わずに取っておけ」と何代にも渡って言い聞かせ、いざ、使おうと思ったら、価値が下がりすぎて何の役にも立たなかったという話を聞いたことがあります。

*大正時代の1万円は、現在の2,790万円に相当します。

ゴールドは日本ではあまり人気がありませんが、世界的には昔から人気の高い安全資産です。海外の富裕層は、株式のリスク分散のために、ポートフォリオにゴールドを一定の割合で組み入れています。
昔はゴールドの価格は比較的安定していたので、ゴールドは立派な安全資産だったのですが、近年のゴールド相場は異常です。
価格の高騰により、ゴールドで資産を増やそうとする人が増えました。時代の変化によって、ゴールドが安全資産から投資対象に切り替わったのです。
しかし、コモディティのプロに言わせると、ゴールドで資産を増やそうとする考えは間違いだそうです。「そもそもゴールドは安全資産です。増やす資産ではなく、守るための資産」だと言うのです。
しかし、昨今の過熱ぶりを見ていると、この意見に異論を唱える人も多いのではないかと思います。皆さんはどう思いますか?

一方、「安全資産」の対極にあるのが「リスク資産」です。リスク資産とは、株やFXのように価格変動が大きい金融資産を指します。リスクもありますが、大きなリターンも見込める資産です。
賢い人は安全資産とリスク資産の両方を上手に組み合わせて運用管理しています。

さて、ゴールドを購入すると決断した踊子ですが、購入前に自分で決めた条件が3つありました:

  • リスク分散のために、手持ち資金を株式、金、現金の3種類に分けて保有する。
  • 株式と同じで、ゴールドも長期保有を前提とする。
  • あくまで安全資産の一つとして購入し、大きな利益は望まない。

多くの専門家が、金価格の短期的な下げはあっても、長期的な下げはないと予測しています。
ゴールドは株のように利子を生み出しませんので、雪だるま式に増えていくものではありません。ですので、踊子は購入時よりも価格が下回らなければOK。もしも、数年後に何倍かにもなっていたらラッキーぐらいの気持ちでゴールドを購入することにしました。

金は「有事の金」と言われているように、戦争や大災害、世界恐慌が起こっても価値が暴落しません。むしろ、有事の際には価格が高騰する傾向にあります。実際に、東日本大震災後は金価格が高騰しました。
有難い事に、今の日本人はいつ戦争が起こるかもしれないという恐怖に曝されたり、自国の通貨が信用できないというような状況に置かれていませんが、第二次世界大戦後は「円」も紙切れ同然になりました。
もしも、南海トラフや首都直下型地震が起これば、日本は国難級の大打撃を受け、経済的にも二度と回復せず、最貧国になると言われています。そうなれば、「円」も再び紙切れ同然になるかもしれません。
そうなれば、銀行にいくら預金があっても何の役にも立ちません。そんな時こそ、ゴールドです。日本が駄目になって、円の価値がなくなっても、ゴールドの価値は変わりません。世界中どこへ行っても、ゴールドはほぼ同じ価格で取り引きできます。それを考えると、資産の一部をゴールドで保有するのも、一つの防衛手段かもしれませんね。
踊子も、もしも大災害が起こった時には少しではありますが、手持ちのゴールドを売って、家族を支えたいと思います。

ちなみに、私は父が亡くなった時に母から分けてもらった生命保険100万円と自分の積立型生命保険を解約した66万円のうち、100万円をNISA、15万円をゴールド、残りの51万円を現金預金(生活費3ヶ月分)として保有しています。
資産の約6割が株式、1割がゴールド、現金が3割という比率です。資産のポートフォリオに正解はありません。年齢、家族構成、収入、資産額などによって異なります。皆さんもご自分に合ったポートフォリオを考えてください。

4月15日現在の金地金参考価格(1kg税込)
出典:UNBANKED

株式とゴールドのポートフォリオが推奨されている理由

投資系YouTuberの多くが、「株式だけに投資するのは危険!資金の一部をゴールドや債券などの安全資産に変えておくと安心」と言っています。初心者投資家にとっては、この言葉、分かるような、分からないような…
なぜ、ゴールドを保有していると「安心」なのか?安心の理由を具体的にご説明します。

ゴールドをポートフォリオに組み入れる最大の理由は出口戦略にあります。
多くの人は老後資産を作るために株式投資を行っていると思います。
しかし、老後、株式投資で築いてきた資産をいざ取り崩そうとした段階で、大暴落が来たらどうなるでしょうか?あなたの資産は大きく目減りしてしまいます。
例えば、株式投資で築き上げた老後資金3,000万円が、大暴落で半分の1,500万円まで減ってしまったら… 30年はもつと思っていた老後資産が、15年で底をついてしまうかもしれません。

しかも、株価が回復するまでには時間が掛かります。リーマンショックでは株価が元の水準に回復するまで6年かかりました。今後、リーマンショック級の暴落が来ることはないだろうと言われていますが、未来は誰にも分かりません。コロナショックは回復までに約2年かかりました。トランプショックは2ヶ月弱で回復しました(貿易関税の問題は未解決ですが)。

若い世代であれば、回復まで気長に待てますが、収入がないシニア世代にはそんな余裕はありません。
株しか保有していなければ、株を取り崩して生活するしかありません。1口1,000円だった株が1口500円になってしまえば、売却時には2倍の口数を売らなければなりません。そんなことをしていたら、株はあっという間になくなってしまいます。

しかし、現金やゴールドや債券など株式以外の資産を保有していれば、当面はそちらを取り崩しながら、株価が回復するのを待つことができます。口数を大きく減らさなければ、株価が回復した時、再び3,000万円に戻る可能性は大です。それどころか、3,000万円を上回る可能性すらあります。なぜなら、「大暴落の後には、必ず株価が大きく伸びる」からです。
しかし、口数を大きく減らしてしまったら、株価が回復しても二度と3,000万円に戻ることはないでしょう。安全資産をポートフォリオに組み入れていない人は、自ら資産を減らしてしまうだけでなく、絶好のチャンスまで逃してしまいます。

上記の理由から、ポートフォリオに一定の割合で安全資産を組み入れることが推奨されているのです。いざという時のために、生活費の3ヵ月分~1年分の現金と株式以外の安全資産を確保しておくことが重要です。

ちなみに踊子は債権を買いません。投資を始めた当初は、「なんとなくNISAと国債の二本立てが安心できそう」などと思っていました。
しかし、よく調べてみると、日本は国債を発行しすぎている(多額の借金を抱えている)ので危ないと言われていることが分かりました。国債の価値も下がり続けています。
うろ覚えなのですが、数年前、阿部元総理がテレビで「国に借金があるのは当たり前。国も企業も借金をして、事業を大きくしている。日本の借金は心配のないレベルです」的な発言をしていました。それを鵜呑みにして、「ふ~ん、日本は大丈夫なんだ」と思っていたのは大間違いでした。
今や、日本は世界中から「あの国、ヤバイ」と指を差される借金大国です。アメリカも日本と同じくらい、国債を乱発しまくっていますので、そのうち借金で首が回らなくなるだろうと言われています。あですので、日本の国債もアメリカの国債も買いません。それ以外の国だったら、尚のこと、よく分からないので買えません。

「自分が理解できない物には投資をしない」これは投資の鉄則です!私を含む多くの日本人は金融リテラシーが低く、初めて会ったよく知りもしない銀行員や証券マンの言う事を信じて、理解できない金融商品に数千万円の金をホイホイと投じてしまいます。それ、本当に危険です!

ちなみに、踊子が国債を信用していない理由は、日本の国力が落ちているだけではなく、国難級の大地震がきたら、日本国債も円と同様、紙切れ同然になると思っているからです。
こんな考え方を笑う人も多いと思いますが、踊子は国債よりはゴールドのほうを信用しています。

注:老後の株式取り崩し設定を「定額または定率」にしている人は、暴落時には自動取り崩し設定を中止しておきましょう。設定を解除しておかないと、暴落時も自動でどんどん取り崩されてしまいます。
ちなみに、現在、「定額・定率取り崩し」に対応している証券会社は楽天証券のみです。SBI証券は2025年中に対応するとしています。

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