銀行員の甘言に惑わされてはいけません!

お金のこと

執筆:2024年10月10日
加筆修正:2025年10月9日

投資を始めようと思ったきっかけ

2024年1月、踊子は自分の生命保険(積み立て型)を解約したお金70万円と、父の死亡保険金100万円を持って銀行へ行きました。
笛吹き踊子、58歳。還暦を目前にして、人生で初めて老後資金について真剣に考えていました。

父の死後、死亡保険金1,000万円が入りました。保険を掛けていたのは母ですので、受取人も勿論、母でした。母がお金にきちんとした人だったので、母はそのお金で父の葬儀費用と亡くなる直前の入院費用を支払い、税金*を払い、尚且つ、子供たちに100万円ずつ分けてくれました。とても恵まれていると思います。母には感謝しかありません。

お葬式は散々揉めた挙句、小規模な家族葬に落ち着きました。お墓は父が大きな手術をした直後に建てていましたので、慌てることなくすみました。
その辺りの経緯については、別記事に詳しく書いてありますので、ご興味のある方はそちらをお読みください。
人は生まれる時も死ぬ時も、色々とお金がかかるんですね。葬儀は約300万円、お墓は約500万円かかりました。終活の重要性を身に染みて感じましたが、自分自身はこんなふうにちゃんとお金を用意してから死ねるとは思えません。独身で、葬儀費用も残さずに死んだら、甥・姪にさぞかし恨まれるだろうなと思いました。

*日本では死者からも税金を徴収します。死亡保険金には相続税、所得税、贈与税のいずれかの税金がかかります。

話は逸れましたが、私は手元にあった167万円をNISAに使うつもりでした。
その頃の私は心身共に絶不調でした。自分の人生にも行き詰っていましたし、肉親の死に直面し、株式投資のことなど考える余裕はまったくありませんでした。
そろそろ、老後のことも考えなくてはならない年齢なのに、まったく備えていないことも気掛かりでした。できればこの余剰資金をできるだけ早く、可及的速やかに、ただの預金から別のものに変える必要がありました。

そこで、私はメインバンクとして長年使っているみずほ銀行へ行き、お金のプロに相談することにしました。鬱の症状が酷く、正直、外出もままならない状態でしたが、危機感に突き動かされて、なんとか銀行まで行くことができました。

NISAを始めるはずが…

話が逸れましたが、私は前出の170万円をNISAに使うつもりでした。老後のことを考えなくてはならない年齢なのに、何一つ備えていませんでしたので、なけなしの170万円を使って、何らかの老後対策を取るつもりでした。
170万円は私のとっては大金です。何かあった時のために、大切に貯金しておくつもりでしたが、生活費が圧倒的に足りない中で、1万円、2万円と少しずつ下ろしているうちに、確実に減り始めていました。

その頃、私は心身共に絶不調でした。初めての肉親の死と葬儀、父の死によって浮き彫りになった家族関係の問題と暗い記憶、自分自身の老い、孤独、本業の行き詰まり、etc.
鬱の症状が酷く、正直、外出もままならない状態でしたが、縋るような思いで「お金のプロ」に相談してみようと思い立ったのです。
極度のストレスのせいで、ブレインフォグが酷く、自分では何も考えられませんでしたが、強烈な危機感に突き動かされて、なんとか銀行まで行くことができました。

銀行員を信じてはいけない理由

これまで、私は一度も投資をしたことがありませんでしたし、一生、投資とは縁がないだろうとも思っていました。もちろん、投資の知識もゼロでした。

しかし、なんとなく目に付いたパンフレットから、「NISAと国債が良いらしい」ぐらいの知識はありました。
ですから、170万円の半分はNISAに使い、残りの半分で国債を買うつもりでした。しかし、NISAの仕組みを勉強しようと資料を読んでも、目で文字を追うだけで、内容がまったく頭に入ってきませんでした。同様に、株式の種類についてまったく理解できなかったので、銀行の人に選んでももらうつもりでした。銀行員からしたら、カモがネギを背負ってやってきたようにしか見えませんね。

銀行のロビーで30分ほど順番待ちをし、その後、頭にもやがかかった状態で2時間ほど銀行員の話を聞き、疲れ切って出てきた時には、まったく予定していなかった「プレミアムカレンシーM3」という外貨建て個人年金を掴まされていました!
しかし、その時点では自分が騙されたことにまったく気づかず、良い商品を紹介して貰えたと、銀行員に感謝までしていました。

お金のプロ、それとも金儲けのプロ?

私がクズ商品を掴まされた事に気付いたのは、なんと1年後のことでした!それまで、銀行員のことも信じていましたし、あんな状態でも頑張って銀行まで行き、老後対策(外貨建て個人年金)をした自分を褒めてあげたいとも思っていました。

しかし、ある日、何の気なしに、パンツ一丁の筋肉ライオン(リベラルアーツ大学)の動画をクリックしたことがきっかけで、自分がとんでもないクズ商品を掴まされたことに気付きました!

親身になって(?)対応してくれた銀行員を信頼していたので、すごくショックでしたし、知っていながらクズ商品を売りつけた銀行員のモラルに低さに怒りも覚えました。
後述しますが、「外貨建て個人年金」は金融庁から勧告が出ているくらいのサギまがいの金融商品なのです!
馬鹿な私は、何の根拠もなく、銀行員はお金のプロで、信頼できる人達だと思っていたのです。しかし、銀行員は「お金のプロ」ではなく、「金儲けのプロ」でした。

銀行員の甘言に惑わされてはいけません!

私が銀行員に売りつけられた外貨建て個人年金の積立利率は、0.87%です。現在、NISAで人気のS&P500の平均利回りは約10%ですから、この商品がいかにクズかわかります!
銀行員はこのクズ商品のパンフレットを店の奥から恭(うやうや)しく持ってきて、「笛吹き様にだけ特別に、超高利回りの商品をご紹介します」と言いました!
利回り「0.87%」と言われてもピンとこない私の反応を見て、さらに言葉を重ねました。

銀行員:「今の銀行預金の金利が何パーセントかご存知ですか?」
私:「さあ…」
銀行員:「0.125%ですよ(2024年1月当時)!それに比べたらすごくお得だと思いませんか!」
私:「そうですね…」(これが「個人年金」ってやつかぁ。聞いたことがあるぞ。お金に余裕のある人がやるイメージ…)
銀行員:「10年後には毎月、決まった金額の年金が入ってきたら、老後の不安もかなり減ると思いませんか?」
私:銀行に相談して良かった!この人、親切!私もラッキー!真面目に生きてきたご褒美かな…

これが銀行員が無知なシニアをカモる手口です。相手の無知に付け込んで、いかにも高利回りのように思わせる手口、かなり悪質です。
確かに、銀行預金の利率よりは高いかもしれませんが、ないに等しいです。せめて、物価の上昇に負けないぐらいの利益が出なければ、投資した意味がありません。(外貨建て個人年金は「投資」商品です。)

当時の私は金融リテラシーの低い貧乏人の思考そのままに、「ただ預けておくだけで、10年後には7万円も増える!なんてお得なんだ!」と思っていました。
このように、バカな貧乏人はカモられていることにも気が付かず、一生あちこちでカモられ続けるのです。

銀行の窓口に相談に行ったシニアは多かれ、少なかれ、同じような目に遭われているでしょう。
中には、退職金を丸ごと銀行にお任せする人もいるでしょうから、損失は計り知れません!

銀行員の甘い言葉に惑わされてはいけません!彼らは顧客のことなんて、1ミリも考得ていません。自分たちが得をする商品を売りたいだけです。嫌な顔一つせず、何時間も親切に無料で相談にのってくれるのは、最終的には自分の懐にチャリンチャリンとお金が入ってくるからです。
私にクズ商品を売りつけた銀行員も、きっと保険会社からバックマージンが入り、営業成績も上がってボーナスが増えたことでしょう。

ちなみに、保険商品は契約から3年間は、保険商品を売った人に結構な額の報奨金が出るそうです。しかし、3年以内に解約されると、ペナルティーが課せられることもあるようです。
今回、踊子は3年を待たずに解約しましたが、あの銀行員たちもペナルティーを課せられたのでしょうか…

私が銀行ではなく、ネット証券で投資を始めることを勧めているのは、こういった経緯からです。
どうかこの記事を読んでいる皆さんは、私と同じてつを踏まないように気を付けてください。

金融庁から何度も勧告を受けている外貨建て個人年金

外貨建て個人年金は外貨で運用されているにもかからわず、ドル高の恩恵が顧客にほとんど還元されません。一言でいえば、ぼったくりです。
金融庁もこれを問題視し、銀行に対して何度も是正勧告を出しています。しかし、銀行は未だにこの商品を売り続けています。
なぜなら、「勧告」には法的効力がなく、従わなくても罰せられることがないからです。銀行としては、顧客に対してもきちんと説明し、同意を得てたという書面も作成していますから、詐欺にはならないからです。

私もよくわからないままに、「ちゃんと説明を受けました」という書類に何枚も署名させられました。
でも、銀行員は保険会社の社員ではありませんから、高額な商品を売りつけておきながら、説明も上辺だけのものです。保険のことなんて、ほとんど分かっていません。「何かあれば、保険会社に訊いてください」の一点張りです。

銀行員が口にしない不都合な真実

  1. 記載されている利率と実際の利率が異なる
    パンフレットに書いてある積立利率は、積立金すべてに適用されるわけではありません。保険会社が決めた一定の金額に対してだけ、積立利率が適用されます。
    しかも、その金額は顧客には知らされません。通常は積立金の0.4~0.6%と言われています。
    つまり、100万円預けても、そのうちの0.4~0.6%(40~60万円)にしか、利率が適用されないのです。
  1. 手数料が異常に高い
    外貨建て個人年金の手数料には為替手数料なども含まれるため、円建ての個人年金よりも高くなります。外貨建て個人年金の手数料(運用管理費用)は通常、2%と言われています。
    投資をしたことのない人にとっては安いように感じるかもしれませんが、2%の手数料は他の金融商品と比べると、かなり高いです。
    例えば、人気の高いeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の手数料は0.08%です(2025年10月現在)。3桁も違います!


    投資をしたことのない人にとっては安いように感じるかもしれませんが、2%の手数料は他の金融商品と比べると、かなり高いです。
    例えば、人気の高いeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の手数料は0.08%です(2025年10月現在)。3桁も違います!しかも、これが毎年、引かれます!
    例えば、100万円を10年満期の外貨建て個人年金にした場合、手数料は最終的に20万円になります。1,000万円を10年満期の外貨建て個人年金にした場合は、手数料は200万円です!


    また、外貨建て個人年金は購入時にも、受取時にも円からドル、ドルから円に換えるため、高い手数料(為替手数料)がかかりますが、これも返戻金から差し引かれます。

    さらにまた、外貨建て個人年金は銀行が作った金融商品ではありません。銀行が、保険会社から依頼されて売っている商品です。他者の製品を代わり売るのですから、そこには当然のことながら手数料が発生します。その手数料は本来であれば、保険会社の負担費用となるのですが、実際には顧客に負わせています。
  1. 為替リスクがある
    外貨建て個人年金は最終的にドルから円に戻すので、為替リスクの影響を大きく受けます。何年も運用して利益が出ているようでも、換金時に円高になると、元本割れをする可能性おあります。
  1. 中途解約すると元本割れする
    個人年金保険の一般的な積立期間は10年です。その間は、お金が必要になっても下ろせません。中途解約をすれば、元本割れし、数十万円~数百万単位の損失が出ます。
    しかも、満期まで待っていても、為替リスクで元本割れするリスクがあります。

    <外貨建て個人年金の返戻金 – 踊子の場合>
    踊子は2025年10月にやっと外貨建て個人年金を解約しました。ずっと解約したいと思いつつ、2年半も悩み続けていたのは、3年以内に解約すると返戻へんれい額が大きく減るからです。「3年間」は契約担当者に報奨金が払われる期間でもあります。ここに保険業界の闇を感じませんか?

    話は逸れますが、「返戻」と「返礼」の音が似ているのが癪に障ります。お礼なんてされていないんですけどね。

    踊子の「返戻金」の額は、93万円でした。7万円(7%)の損失です。私にとって、7万は大金です!半月分の生活費です。痛い損失でした!
    解約通知の「内訳」欄には「お支払金 93万円」の一行しかありませんでした。内訳にもなんにもなっていません。運用結果も、違約金(?)も、手数料も何も書かれていないのです。ずるいですね!

    増やそうと思って、体調が悪いところを無理して銀行へ行ったのに、7%も減る結果となってしまいました!しかも、今はドル高で、外貨建てだと利益が出ている筈なのにもかかわらず、大きくマイナスです。退職金1,000万円預けている人だったら、70万円の損失です!2,000万円であれば140万円の損失です!
    もしも、このお金をS&P500に投資していたら、約24%(2025年9月末時点)の運用益が出てたはずです。
    こんな事になるなら、現金預金のままにしておいたほうが何倍もマシでした。
  1. 税金がかかる
    個人年金には所得税がかかります。これは外貨建ての場合も、円建ての場合も同じです。
  1. 保険ではない
    外貨建て個人年金は保険会社の商品なので、「個人年金保険」と呼ばれることがあります。しかし、「保険」の機能はまったく付いていません。
    外貨建て個人年金は「保険」ではなく、「投資商品」ですから、利益が出ることもあれば、損をすることもあります。

金融リテラシーの低いシニアは絶好のカモ!

銀行はシニアを狙っています。シニアは退職金や親の遺産などで大金を持っている可能性が高く、しかも金融リテラシーが低いので自分たちに都合の良い商品を売りつけやすいからです。

踊子が心配しているのは、氷河期世代の人達(団塊の世代ジュニア)です。氷河期世代の人達は今後、数年~10数年以内に相続によって、大金が転がりこんでくる可能性があります。氷河期世代自身は資産がなくても、親世代である団塊の世代は高度成長期と共に人生を歩み、資産形成がしやすかった世代です。
また、老後も年金や税金面で優遇されてきましたから、ある程度まとまった資産がある家庭が多いようです。

しかし、今まで資産運用をしたことのないジュニア世代が突然、大金を手にしてもどうすれば良いかわからないと思います。自分で管理できずに、銀行や証券会社に運用を丸投げしてしまうかもしれません。ハイエナたちの餌食とならないように気を付けましょう。
若い時は時代に翻弄され、老後は銀行のカモされでは泣くに泣けません。
せめて、最低限の金融知識ぐらいは身に付けましょう。
金融リテラシーは一朝一夕には身に付きません。老後になってから慌てて勉強するのではなく、今から少しずつ学んでおきましょう。
万一、親の遺産が少なかった場合でも、相続やお金に関する知識は無駄になりません。
お金に関する知識は、あなたのなけなしのお金を守ってくれます。

また、銀行に行く時は体調が良く、心と体と時間に余裕のある時にしましょう。体調が悪い状態で、大金を動かすのは危険です。

高い代償を払って学んだこと

私がお金の勉強を真剣に始めたのは、今回の経験がきっかけでした。無知であることの代償は、思ったよりも高くつきました。
老後が心配で銀行に行ったのに、お金の勉強を怠ったばかりに、少ない老後資金を更に減らす結果となってしまいました。

無知の知

ソクラテスは「無知は罪なり」と言いました。自分は無知な状態に留めているのは、自分自身です。考える事を放棄し、自分に言い訳をし、勉強をしなければ楽ですが、その代償は大きいです。
まずは、自分がお金に対していかに無知であるかを知りましょう。

知識は力なり

私も含めて日本人の多くは、お金に対してあまりにも無知です。学校でも家庭でも、お金にまつわる話がされることはなく、公にも語られることがありませんでした。
しかし、これからはお金の勉強は避けて通れません。「知識は力なり」です。

私もお金の勉強をしたり、ブログを始めることで、少しずつ頭の中に光が差し込んでくるようになりました。まだまだ、ブレインフォグに悩まされていますが、ゆっくりとでもいいので勉強を続け、できることから一歩ずつ始めようと思います。

外貨建て個人年金で損をした分は、NISAなどを使って、5年、10年をかけてゆっくり取り戻そうと思います。自分自身にも、「騙されて、損をして、悔しいからと言って、焦ってはいけない」と言い聞かせています。人間、焦ると碌な事をしませんからね。

今は誰でも気軽に資産運用ができる時代になりました。良い時代です。

注:この動画では貯蓄型保険の解約を勧めていますが、もう少しで満期になる場合は解約せずに満期を待ったほうがお得になります。詳細については、動画を観てご確認ください。

投資は自己責任で行いましょう。誰かのアドバイスに従って損をしても、誰も補償はしてくれません。
銀行員、証券マン、YouTuber、インフルエンサーの言っていることを鵜呑みにせず、自分でも調べて、考え、判断しましょう。
あなたの人生やマネープランを一番、親身になって考えてくれるのはあなた自身です。

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