【バフェットが警告】AIバブル崩壊の足音が近づいている

お金のこと

今回の記事は、バフェット氏が引退直前の2025年に出した動画「A Once in a Lifetime Crash is Coming !(一生に一度あるかないかの大暴落が来る!)」を中心にまとめたものです。
バフェット氏の言葉は投資だけでなく、人生全般にも通じる深い洞察を含んでいます。
残念ながら、この動画はバフェット氏の引退と同時に削除されしまいましたが、動画に込められた彼の思いやアドバイス、珠玉の言葉たちを記事にまとめましたので、是非、ご参照ください。

暴落は誰にも予想できない

暴落がいつ来るかは、誰にも予測できません。投資の神様ウォーレン・バフェットですら予測不可能です。

一方で、バフェット氏は「近い将来、暴落は必ず来る」と繰り返し警告しています。しかも、それは短期間で回復するようなものではなく、リーマン・ショック級、またはそれ以上のものとなる可能性が高いと予測しています。

バフェット氏が経営するバークシャー・ハサウェイは、2022年頃から現金比率を増やしています(2025年現在、現金比率31%)。リーマン・ショックの時も、バフェット氏は数年前から同じような動きをしていました。
その後、バフェット氏は暴落を正確に予測したとして、人々から大きな称賛を得ましたが、本人は「実際には大まかな予測をしていただけであり、正確なタイミングは計れなかった」と語っています。
今回も、バフェット氏はバークシャー社の現金比率を増やしていますが、2025年現在も大暴落はまだ来ていません。
この事から、彼が暴落に備えて、いかに慎重に備えているかが分かります。

ちなみに、バフェット氏は正確な暴落時期だけでなく、正確な底値と最高値も予測できないと言っています。
リーマン・ショックが起こった時に、バフェット氏はすぐには動かず、大暴落の底が来るまで約10ヶ月待ちました。
しかし、バフェット氏が50億ドル(約5300億円)でゴールドマン・サックスの優先株を買った後も、下落は止まらず、さらに25%も下がりました。
つまり、バフェット氏でも底値は予想できなかったのです。

大暴落のインパクトの大きさは、下落率ではなく、下落期間の長さで決まります。気を付けてください。次の暴落は、長く続く可能性があります。
トランプショックやコロナショックのように1ヶ月ぐらいで回復するのであれば、下落率が30%でも、ほとんどの人が無傷でやり過ごせました。
しかし、暴落の期間が数年単位になれば、生き残れる人は限られてしまいます。

AIバブルが弾ける理由

今年に入ってから、S&P500は8ヶ月連続で高値を更新しました(2025年11月現在)。
利益が出ているのは嬉しい事なのですが、値上がり率が異常過ぎて、恐怖のほうが大きくなっていました。初心者でもさすがにこれは異常だと感じるような上昇率です。
「株価が下がっても怖い、上がっても怖い」これは多くの投資初心者が経験する心理だそうです。

AI業界がバブルな理由

AI業界がバブルと言われているのは、実体経済に基づいていないからです。最近では、マーク・ザッカーバーグ氏までもが、公式に「AIバブル」を認める発言をしています。
そして、投資家の期待に反して、OpenAI社のChatGPTは未だに目立った利益を上げていません。OpenAI社の株は、人々の期待と欲望だけで爆上がりしている状態です。

では、なぜ、AI関連の巨大テック企業が売り上げを伸ばしているのでしょうか?それは、消費者が製品を買っているからではなく、業界内で資金が循環しているからです。

例えば、
1. AI企業がNVIDIAのGPUを大量に購入する 
2. NVIDIAがAI企業に出資をする 
3. AI企業の株価が上昇して、投資家から資金が流入する
4. そのお金でAI企業がNVIDIAのGPUを買う

この循環によって、実際の需要以上の売り上げがあるように見えてしまうのです。見せかけの成長によって、株価も割高になっていますが、実際には中身が伴っていないのです。

しかも、この輪の中心にいるOpenAIは赤字続きです。ChatGPTの人気にもかかわらず、OpenAIは2025年度、6兆円の損失を出しています。
NVIDIAの半導体は実際に売れていますので実体経済に基づいていますが、その他のビッグテックのAI部門は赤字です。

一つの輪の中で資金が循環この輪の中から、何かが生まれるのか?

ChatGPT 以外にもAI製品はたくさんあります。例えば、Googleの検索機能、Amazonの消費者行動の分析と広告、動画に使用されている画像・音声生成AIなど、それらは私たちの日々の生活に深く入り込んでいます。

しかし、ChatGPTは、まだ使っている人も少なく、目立った利益を出していません。
ChatGPTは一番安い個人向けプランでも月額料金が約3,000円です。法人向けプランですと、月額料金は約30,000円です。
500円のサブスク料金も節約するこのご時世で、誰がこれだけの料金を払ってChatGPTを利用したいと思うのでしょうか? 一般の人はGoogleの検索機能で十分、満足しています。

それでも、多くの投資家は見切り発車でOpenAIの株を買い漁っています。人々を動かしているのは、合理的な判断ではなく、希望と期待、恐怖と羨望です。
しかし、どんなに人々が熱狂しても、割高な物は割高です。本質的な価値は変わりません。

やがて、音楽が止み、パーティーが終わる時が来る。

振り返ってみれば、ITバブルの時にも同じ事が起こりました。
人々はITが世界を変える革新的なテクノロジーであると信じ、それに法外なコストを支払っていました。IT企業は地上に張り巡らす光ファイバー網に巨額の資金を投じていましたが、ITが収益を上げるスピードは企業の予測よりもゆっくりでした。
その結果、ITが一般に普及する前に、人々が投資した資金は溶けてしまったのです。

絶頂期に買われたナスダックは、
その後、15年間塩漬けになった。

テクノロジーの発展と、株式取引は別物です。この違いを正しく理解しないと、高い代償を払うことになります。
ITやAIが世界を変えるテクノロジーである事は、間違いありません。しかし、今年の収益、来年の収益が合理的に予測できないのであれが、それは「投資」ではなく、「投機」です。

まだ収益の上がっていない企業の株を買うことは、無謀以外の何物でもありません。今のAI株の価格は適正ではありませんし、AI企業には安全余裕率がまったくありません。

過剰投資のツケ

アメリカのAI企業は、収益の22~30%をインフラ投資に割いています。他の企業と比較すると、これはかなり高い割合です。(注:2025年の数字です。)

最近の調査では、アメリカのビッグテック(マイクロソフト、メタ、テスラ、アマゾン、グーグル)が過去2年間にAIインフラストラクチャーに投じた額が、5,600億ドルであることが分かっています。
これらの投資を回収するには、2030年までに年間2兆ドルの収益がなければなりません。しかし、現在のAI企業の収益は200億ドルです。今後5年で現在の収益を100倍にしなければならない計算になりますが、そんなことができる企業は存在しません。

最近、マイクロソフトがAI部門の業績予想を130億ドルと発表しました。一見すると、素晴らしい数字のように見えますが、マイクロソフトは130億ドルの収益を得るために、1,200億ドルを費やしています。つまり、1ドルを稼ぐために、9ドルを費やしているのです。
つまり、1ドルを稼ぐために、9ドルを費やしているのです。

ここで基本原則に立ち返ってみましょう。出費が収益を超えるビジネスモデルは、持続可能でしょうか?

データセンターが抱える問題

AI産業が抱える問題は過剰投資だけではありません。
AIの学習には膨大な量のデータと複雑な計算処理が伴います。それを処理するためには、大量のデータを高速に処理できるプロセッサーやネットワークインフラが必要になります。

AI向け半導体の寿命

AI向けGPUには、一般的なパソコンのメモリとは別次元の超高性能・大容量のメモリが搭載されています。そのため、1枚あたりの価格が400万円〜900万円と非常に高額になっています。
かなり高価なGPUですが、高速で大量のデータを処理するAI向け半導体(GPU)の寿命は、1〜2年程度と言われています。24時間、365日休みなく稼動し、高い消費電力と発熱ストレスに晒されるAI向けGPUは、物理的な劣化が恐ろしく早いのです。

GPUの陳腐化

半導体の進化のスピードは非常に早く、どんなに高価な半導体でも、2年も経つと性能面でかなり劣った物になってしまうと言われています。
ライバルに取られまいとして早目に確保しておいたGPUも、何らかの理由でデータセンターの建設が中断してしまうと、すぐに陳腐化してしまいます。

粉飾決算

AI向け半導体の実際の寿命は1〜2年程度であるにもかかわらず、MetaやGoogle、Microsoftなどの巨大テック企業は、耐用年数を3〜6年程度に設定しています。償却期間を数年年延ばすだけで、企業の純利益は数十億ドル単位で押し上げられます。つまり、数字のトリックで、利益を実際以上に大きく見せているのです。
しかし、先送りしたコストはいずれツケとなって返ってきます。

電力不足

AI向けGPUは大量の電力を消費します。データセンター1つで、小さな町1つ分の電力が必要になります。
AIは人間の脳を模倣して作られています。人間の脳が何億もの電気信号をやり取りするのと同じように、AIも何億回もの情報伝達を行います。そのため、AI検索は一般的なGoogle検索の約10倍の電力を消費すると言われています。

電力争奪戦

AIが莫大な量の電力を必要とする一方で、電力を供給する発電所はすぐには建設できません。アメリカでも日本でも、発電所の建設許可を取るだけで数年がかかります。

しかも、電力を使用するのはデータセンターだけではありません。一般市民も利用しています。
アメリカでは既に、データセンターのせいで電気料金が大きく値上がりしている地域があります。

そこでビッグテックは自分たち専用の小型の発電所(小型モジュール炉)を建設しようとしています。GoogleやMicrosoftは既に、次世代型の原子力発電所に巨額の資金を投じています。
これからは、電力を制する者がAIを制すると言っても過言ではないでしょう。

暴落時に私たちが取るべき行動

バフェット氏は「暴落が来る」ほうのシナリオに大きく賭けていますが、それはバフェット氏の豊富な知識と経験、高い知性、並外れた胆力をもってして、初めてできるものです。素人がそのまま真似をするのは危険です。
私たち素人は大暴落が来るシナリオに全てを賭けるのではなく、どちらに転んでも生き残れるように備えるべきです。

予め戦略を立てておく

暴落時にパニックにならないように、予めルールを決めてておくことが必要です。

<暴落時に株を買う時のルール>
1. 株価が最高値から何パーセント下落したら売るか(どのくらいの下落なら売らないか)
2. 手持ちの株の何パーセントを売るか
一度に全部、売る必要はありません。市場の動向を見ながら、自分のルールに基づいて、臨機 応変に対応しましょう。
3. どの銘柄を売り、どの銘柄を売らずにおくか
4. どの順番で売るか

これらのルールは必ず暴落前に決めておく必要があります。なぜなら、暴落時には皆が平静ではいられなくなるからです。冷静な判断が下せない状態では、周囲の狼狽売りに巻き込まれる可能性が高くなります。
基準は人それぞれですので、自分に合った条件を設定しておきましょう。

これらの基準をあらかじめ設けておけば、回復を期待して待ち続けている内にさらに損失が広がるようなことも避けられます。

また、暴落時に株を購入する場合も、予めルールを決めておく必要があります。いくつかの会社に目星を付けたら、暴落後に立ち直る体力があるか(財務が健全か)をあらかじめ調べておきましょう。

<暴落時に株を買う時のルール>
1. どの銘柄を買うか
2. いくらになったら買うか(最高値から何パーセント下落したら買うか)
3. 何回に分けて買うか(下落率10%・20%・30%、2週間に一度、月に一度など)

暴落が短期間で終息する場合もありますが、長く続く場合もあります。数ヶ月かけてじりじりと下がっていく中で、数百円の下げで飛びついてしまうと、株価が下がりきらないうちに資金が底を尽いてしまいます。
大暴落は数年に一度、または数十年に一度のビッグチャンスです。暴落で財産を失うか、チャンスに変えられるかはあなた次第です。

現金比率を増やす

暴落時には現金を持っている者が王様です。なぜなら、株よりも現金のほうが流動性が高く、すぐに使えるからです。
暴落している株を買い取ってくれる人は中々、見つかりませんが、現金があれば何でも買えます。住宅ローンや家賃も払え、食料も買えます。
また、現金を保有していれば、暴落時に優良株をバーゲン価格で買うこともできます。外では嵐が荒れ狂っていても、安心して眠ることができます。

暴落は楽しくはありませんが、考え方を変えればチャンスになります。恐怖に身を竦(すく)めて、ただやり過ごすのではなく、勝機を積極的に掴みに行く胆力があれば、バフェッと氏が言うように、瓦礫の中から宝を拾うことができるでしょう。

マタイによる福音書13章45〜46節
「高価な真珠」を見つけた商人は全財産を売って、真珠を買う。

リーマン・ショックの時、バフェット氏がゴールドマン・サックスの株を買ったのは、単に安くなっていたからではなく、暴落でも棄損しない価値があったからです。
バフェット氏は事前にゴールドマン・サックスの財務諸表を調べていたので、同社がリーマン・ショックから立ち直る体力があることも知っていました。
バフェット氏がゴールドマン・サックスに救済の手を差し伸べた時、周囲の人達は彼が気が狂ったのかと思いましたが、その後、ゴールドマン・サックスの株は12年に渡って、バークシャーに約37億ドルもの利益をもたらしました。

バフェット氏は実体の伴わない、実力以上に大きく評価された企業は、バブルが弾けた時に淘汰されるだろうと言っています。
しかし、真に実力がある企業はバブル崩壊後も瓦礫の中から不死鳥のように立ち上がるだろうとも語っています。
そういう企業の株は大暴落が来ても手放さずに持っているべきですし、持っていない人は大暴落の時にバーゲン価格で買い漁るべきです。

まとめ

「歴史は繰り返さないが韻を踏む」投資の世界でもよく引用される言葉です。
この言葉を遺したのは、アメリカの作家マーク・トウェインだと言われています。
歴史を振り返れば分かるように、完全に同じ事象は起こりませんが、韻を踏むように似たような事象は繰り返されます。

次の暴落では、あなたはどう振舞うのでしょうか?バフェット氏が暴落に備える皆さんに珠玉の言葉を贈ってくれていますので、ここに引用します。

冨は我慢ができない者から、我慢強い者へと流れる。
冨は感情的な者から、理性的な者へと流れる。
短期的な思考しかできない者から、長期的な思考ができる者へと流れる。

忍耐強い者は瓦礫の中から宝を見つける。
次の暴落でも、私はそうするつもりだ。
私はあなたもそれに参加できることを願っている。

バブルが弾けた時、あなたはオマハからきた老人の言葉に
耳を傾けたことに感謝するだろう。
なぜなら、彼は今、ヒットしているこのリバイバル映画を
昔、既に観ているからだ。

Thank you and God bless you.

現在、95歳のバフェット氏
75年間の投資生活の中で何度も暴落を経験してきた

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