「金利ある世界」がやって来た!私達の生活はどう変わる?

お金のこと

この記事は2026日7月30日に加筆修正されています。

日本は長いデフレ時代を抜け、先の見えないインフレ時代に突入しました。
デフレ時代には低金利が当たり前でしたが、これからは日本も金利のある世界に突入します。
しかし、長年、金利なんて考えもせずに暮らしてきた日本人に、急に金利の仕組みを理解しろと言ってもそれは無理筋です。

正直、踊子もこの記事を書くにあたって、途中で何度も匙を投げそうになりました。
しかし、金利の仕組みは一度、覚えてしまえば、一生、あなたを助けてくれます。知識は財産です。
知識は皆さんをお金持ちにしてくれるだけでなく、詐欺からも守ってくれます。皆さんも是非、頑張って金融リテラシーを上げていきましょう。

記事の後半では、金利のある世界で上昇が見込まれる銘柄などもご紹介していますので、長くなりますが、是非、最後までお付き合いください。

銀行が銀行にお金を預ける不思議な仕組み

あまり知られていないのですが、私たちが民間の銀行にお金を預けるように、民間の銀行も日銀にお金を預けます。
そして、私たちが民間銀行に預金をすると利子が貰えるように、民間銀行も日銀から利子を貰っています。

しかし、景気が落ち込んでいる時に民間銀行が多額の現金を日銀に預けたままにしておくと、お金が動かず、ますます景気が停滞してしまいます。それを防ぐために、日銀は民間銀行にマイナスの金利0.1%(手数料)を課しました。

民間銀行は日銀にお金を預けると損をするので、預金を止めて、余ったお金を企業への貸し出しや投資に回すようになります。
企業は銀行から借り入れたお金で設備投資をしたり、事業を拡大したりするので、新たな雇用が創出されたり、物やサービスの需要が高まり、景気が刺激されます。
これがマイナス金利政策の仕組みです。

日本では2022年頃から徐々に賃金や物価が上昇し始めたので、2024年にはマイナス金利が解除されました。

金利のある世界へ

2024年にマイナス金利を解除した後、日銀は徐々に金利を引き上げていきました。
・2024年3月:0〜0.1%
・2024年7月:0.25%
・2025年1月:0.5%
・2025年12月:0.75%
・2026年6月14日現在:0.75%に据え置き

今月の15日と16日に金融政策決定会合が開かれます。今回の会合では、利上げはほぼ確定と言われています。
もしも、利上げが実施されれば、日本の金利もとうとう1%になります。日本の金利が1%になるのは約31年ぶりですから、どのニュースでも「高水準」と表現されています。

ちなみに、ロシアの金利は2024年10月に過去最高となる21.0%を記録しました。その後、国内景気の悪化に伴い、徐々に金利を引き下げ、2026年7月現在は、14%になっています。
さすがロシアですね。おそロシア…

2026年6月13日現在の政策金利および民間銀行の金利は次のとおりです。
・政策金利:0.75%
・定期預金金利(1年):0.3%~0.4%
・定期預金金利(5年):0.7%
・普通預金金利(メガバンク):0.3%

ここで、「民間銀行の金利は政策金利の半分ぐらい」であることに気付いた人は、センスが良いですね。
民間銀行の金利が低い理由について、長くなりますのでここでは触れませんが、興味のある方は、以下の記事をご参照ください。

国債の金利が定期預金よりも高い理由

なぜ金利を上げるのか?

では、なぜ今、日銀は金利を引き上げようと思ったのでしょうか?日銀が金利を引き上げようとしている理由は大きく分けて以下の3つです。

1. 中東情勢の悪化

ホルムズ海峡の封鎖により中東情勢が悪化して依頼、物の値段が上がっています。それは日本も例外ではありません。
ホルムズ海峡が封鎖される前から、日本は30年ぶりのインフレ局面に入っていますが、中東情勢が悪化したことにより、インフレが想定以上のスピードで進んでいます。
今はまだ政府の補助金などでインフレがある程度、抑制されていますが、ホルムズ海峡の封鎖から既に3ヵ月以上経過しており、石油不足が消費者の生活を直撃する未来は避けられないでしょう。

トランプ大統領は今までに数回、「イランとの停戦合意は近い」とSNSを通じて発信していますが、その度にその言葉は反故ほごにされています。アメリカとイランの発言にも、毎回、齟齬があります。株式市場は今回の「停戦合意」を受けて、株価が上昇すると見ています。中には、株価上昇を見込んで株の大量買いをした投資家もいるようです。勇み足にならないといいですね。

一部の専門家は、「手遅れになる前に石油不足に対して何らかの対策を取らないと、物価上昇に歯止めが効かなくなる可能性がある」と警告しています。

2. インフレの抑制

上述したように、日本は景気悪化局面に入っています。賃金は少しずつ上昇していますが、賃金上昇率よりも物価上昇のほうが高い状況では、庶民の暮らしは楽になりません。
高市政権政府は昨年10月の発足以来、景気刺激策に重点を置いてきたため、金利も数か月間、据え置かれていました。
しかし、中東情勢の悪化という想定外の要因により、景気刺激策よりもインフレの抑制政策に舵を切ろうとしています。つまり、景気が停滞するリスクよりも、物価上昇のリスクのほうが大きいと判断したようです。
日銀は今、「消費者マインドを冷やさないように金利を据え置き」するか、「インフレの抑制のために金利を上げる」か、難しい判断が迫られています。

3. 円安の是正

円の価値が下がる要因の一つに低金利があります(もちろん、円安の原因はそれだけではありません)。
そこで、日銀は円安を是正するために、段階的に利上げを行ってきました。しかし、前回の利上げ(2025年12月)では円安はほとんど改善しませんでした。
一般的に、利上げをすると通貨の価値が上がり、円安が是正されると言われています。なぜなら、金利の高い通貨を持つと、多くの利息を得られるため、通貨の魅力が増すからです。また、円をドルに換金する時も、円が強ければ、少ない円で多くのドルを得ることができます(円高ドル安)。
現在、ドル円の為替レートは1ドル160円前後で推移しています。かなりの円安ですが、次の利上げで是正できるでしょうか。
ちなみに、戦後の為替レートは1ドル=360円(!)でした。

金利を引き上げるデメリット

1. 利息が上がる

金利が引き上げられると、住宅ローン、教育ローン、自動車ローンなどの利息が増えます。
既にローンを抱えている人にとっては大きな負担となるでしょう。また、これから家を建てようとしている人や学生ローンを借りようとしている人は、別の選択肢を選ばなければならなくなるかもしれません。

2. 企業の利益が減る

企業は銀行からお金を借りて設備投資をしたり、事業を拡張したりします。しかし、金利が上がれば銀行からの借りたお金の利息も増えるので、その分、支払いが増えます。
また、借入金の利息が増えれば、借入自体も減り、ビジネスが活性化しなくなります。
そのため、金利が上がると企業の業績が悪化する傾向にあると言われています。

3. 国の利払い費が膨らむ

現在、日本は巨額の債務(約1,342兆1,720億円)を抱えています。額が大きいため、わずかな金利上昇でも利払い費が一気に膨らんでしまいます。
これまでにも何度か利上げが求められる局面がありましたが、国の債務が大き過ぎるため、日銀は積極的な利上げに踏み切れませんでした。
日本と同様に、アメリカも巨額の債務を抱えており、なかなか利上げができずにいます。また、アメリカだけでなく、その他の先進国も同じような状況ですので、難しい舵取りを迫られています。

また、アメリカも利上げが近いと予想されていますが、日本と同様に巨額の債務を抱えているため、なかなか利上げに踏み切ることができずにいます。
また、利上げをすれば、政府の債務だけでなく、民間企業の債務も膨らみます。
つい最近まで、トランプ大統領が盛んに「利下げ」を主張していたため、巨大AI企業は金利が下がることを想定して、銀行から目一杯、借入をしていました。
利上げがあれば、ただでさえ危うい彼らの足元がさらに危うくなってしまいます。

ちょっとでもバランスを崩したら…

過去にマイナス金利を実施した前日銀総裁 黒田氏は、中立金利1.5%(景気を冷やしも、刺激もしない金利水準)を推奨しています。
いずれにしても、日本の金利はもう少し上がる可能性が高いと思われます。
今月の15日と16日に開かれる金融政策決定会合の行方を見守っていきましょう。

阿部政権下で、
異次元緩和を実施した黒田氏

金利ある世界を生き抜くには

金利のある世界で、私たちは何をすれば良いでしょう?
金利がない世界でも、ある世界でも、基本的に私たちが出来ることは限られています。私たち庶民に国や社会のルールを変える力はありませんから、自分たちの力が及ぶ範囲で何とかしなければなりません。例えば、節約をし、複数の収入源を確保し、稼ぐ力を伸ばし、手堅い投資をするなど、個人でもできることはあります。

今年、95歳になる
ウォーレン・バフェット氏

あの投資の神様ウォーレン・バフェット氏は、長い投資人生の中で借金を徹底して避けてきました。彼は折に触れて、「負債は人生を破滅させる」と警告しています。
バフェット氏はクレジットカードのリボ払いも、厳然たる借金であると忠告しています。近年、アメリカではクレジットカードの使い過ぎによる個人破産が増加しています。アメリカのクレジットカードの負債残高は約180兆円と言われており、専門家の中にはこれが次の大暴落の引き金になるのではないかと予測している人もいるくらいです。
リボ払いを気軽に利用している人の多くは、リボ払いの利率が15.0%〜18.0%と非常に高いことを知りません。
現在、銀行の金利が0.3~0.7%、住宅ローンの金利が0.85%〜1.0%、優秀なインデックスファンドの利回りが平均7%であることを考えると、リボ払いの利率がいかに高いかよく分かります。

金利ある世界で伸びる銘柄

金利ある世界で伸びる銘柄は、ズバリ、「銀行株」です!
金利が上がるとなぜ銀行株が伸びるのか、その仕組みを以下でご説明します。

銀行は人々のお金を集め、集めたお金を誰かに貸し、利子を貰うことで利益を得ています。
したがって、金利
が上がれば銀行の利子も増え、業績が伸び、株価も上がるというわけです。

よく考えれば当然のことですが、今まで投資に縁のなかった素人には想像もつかない世界の話です。悲しいですが、金融リテラシーの差は、資産の差に直結するのです。

下段では、具体的な銘柄について触れますが、この記事を読んですぐに飛びつくのではなく、ご自分で調べ、納得した上で購入を検討してください。

* 投資は自己責任でお願いします。

オススメの銀行株

踊子が購入したのは、NISAの成長投資枠で購入できる銀行株のインデックスです。
NISAで購入できる銀行株のインデックスは以下のとおりです。

NEXT FUNDS 東証銀行業株価指数連動型上場投信

東証株価指数(TOPIX)の銀行業株価指数に連動するETFです。東証に上場している全ての銀行株を対象としています。銀行セクター全体に丸ごと投資ができるインデックスです。

取扱いのある証券会社:SBI証券

NF銀行業

東証株価指数(TOPIX)の銀行業株価指数に連動するETFです。「NEXT FUNDS 東証銀行業株価指数連動型上場投信」とまったく同じものですが、取り扱う証券会社が異なるので名称も異なっています。
踊子は楽天ユーザーなのでこちらの銘柄を買っています。先月から買い始めたので、まだ一ヶ月ほどですが、含み益が出ています。

取扱いのある証券会社:楽天証券

上場インデックスファンド日経銀行株トップ10

日経銀行株トップ10指数に連動するETFです。時価総額や流動性が高い銀行株上位10銘柄に絞って投資ができます。

銀行株はゼロ金利が解除された2023年頃から順調に上昇している
引用元:日本経済新聞

日経平均株価とTOPIXの違い

上段で、TOPIXや日経に連動する銀行株をご紹介しましたが、皆さんは日経平均株価とTOPIXの違いをご存知ですか?
ここで一度、日経平均株価とTOPIXの違いについておさらいしておきましょう。
TOPIXか日経平均か迷ったら、以下の特徴に基づいて、ご自分にあった方を選択しましょう。
ちなみに、踊子はAバブルを避けたいのでTOPIXを選んでいます。価格も日経平均よりはお手頃です。

日経平均株価(日経225)の特徴

日経平均株価、通称日経225は、東証のプライム市場*の主要な銘柄25社で構成されるインデックスです。AI、半導体などのニューエコノミーが中心です。

  • 銘柄選出方法:株価平均型(株価の高い銘柄が選ばれます)
    株価の高い銘柄は流行りのテーマ株に偏りがちなため、トレンドに乗って株価が大きく上昇する反面、潮目が変わると急激に下落する傾向があります。
  • 株価:現在、日経平均株価は1株あたり7万円を超えており、気軽に買えなくなりつつあります(2026年6月)。
  • 銀行株:日経平均に含まれる銀行株は10社のみと、TOPIXに比べるとかなり少なくなっています。

* プライム市場:東京証券取引所が設けている3つの市場区分のうち、最上位の株式市場。昔の「東証一部」に相当する。

TOPIXの特徴

プライム市場のほぼ全銘柄を対象としたインデックス株です。市場全体の動きを反映しているため、TOPIXの値動きを見ることで、日本株全体の動き、ひいては日本経済の動きを知ることができます。
TOPIXの構成銘柄の上位は、昔ながらの大企業が占めているため、製造業などのオールドエコノミーが中心となっています。

  • 銘柄選出方法:時価総額加重型(時価総額が大きい大企業が選ばれます)
  • 株価:少し分かりづらいのですが、TOPIXの株価は「円」ではなく、「ポイント」で表されています。2026年7月現在、TOPIXの値は4,000ポイントを超えています。円に換算すると、1株あたり約3万円になります。
    構成銘柄が市場の全てのセクターに分散されているため、値動きは日経平均株価ほど激しくありません。
  • 銀行株:TOPIXには、69社の銀行株が含まれています。

日経平均とTOPIXの動きはよく似ています。
しかし、AIバブルが弾けた時、ダメージが少ないのは、テック株が少ないTOPIXのほうだと言われています。

基本的には、似たような動きをするが、
日経平均のほうが乱高下が激しい
日経平均株価もTOPIXも
アメリカ株の影響を強く受ける

インフレで銀行株はどうなる?

インフレや利上げが想定の範囲内で進むなら、銀行株は順調に上がっていくと思います。しかし、何が起こるのか分からないのが世の常です。
大暴落が起これば、銀行株も下落を免れないと思いますが、テック株よりは下落幅が少ないと見られています。
リーマンショックは銀行が金融危機の発生源だったので、銀行株が下落率は非常に大きくなりました(下落率:90%)。
しかし、次の暴落の発生源が銀行になる可能性は低いのではないでしょうか。

もしも、AIバブルが弾けたら、銀行株も一旦、下がると思いますが、長期的な視点で見れば、確実に上昇していくと思います。
また、今後、日本政府が金利を下げる可能性は低いと予想されています。

ここまで、金利のある世界ではいかに銀行株が有望か書いてきましたが、投資のメインはこれまでどおりS&P500やオルカンにしておくことをお勧めします。景気が回復した時は、銀行株よりも大きなリターンが期待できるからです。
銀行株はあくまでもサテライトの位置付けです。

* 投資は自己責任でお願いします。

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